相続手続きは、印鑑証明書が必要になることが沢山あります。
例えば、銀行預金の解約手続きや遺産分割協議書を作成するときなどに利用します。
しかし、普通に生活をしていると印鑑証明書を利用するときは多くないと思います。
私も30年以上生きていきますが、印鑑証明書を提出したのは住宅を購入した時ぐらいですね。
そのような印鑑証明書ですが、相続手続きでは欠かせない書類の1つなのです。
今回は、相続手続きを考えている方へ印鑑証明書が必要となるケースをご紹介します。
実印を証明する印鑑証明書!実印と印鑑証明書の関係性
印鑑証明書と実印の違いが、よくわからない人もいるかと思いますので、まず初めに印鑑証明書と実印の関連性について説明します。
実印とは、印鑑そのものを指します。
実印の種類に決まりはなく、100円ショップで売っている印鑑を実印としても問題はありません。
しかし、実印は大切な時に使用するもので、偽造しにくい印影にするのが通常です。
印鑑証明書とは、その実印を使って市役所で印鑑登録し証明書にしたものになります。
したがって、実印を第三者に証明する書類が印鑑証明書となるのです。
遺産分割協議書を証明するために印鑑証明書が必要になる

実印と印鑑証明書の関係性が分かったと思います。それでは、遺産分割協議書と印鑑証明書の関係について解説します。
相続手続きでは、被相続人の財産を相続人たちで遺産分割をしなければいけません。
遺産分割で決まった内容を書面で残すのが遺産分割協議書です。
その遺産分割協議書は、法的効力があるので契約書になり、相続人全員が実印を使って押印をしなければいけません。
相続で印鑑証明書が必要になる3つのケース
そのような遺産分割協議書は各手続きで、第三者に証明する必要がありますので、相続人全員の印鑑証明書が必要になります。
例えば、以下で印鑑証明書が必要なる3つのケースを紹介します。
- 相続登記で不動産の名義変更をするとき
- 金融機関などの解約手続きをするとき
- 相続税の申告をするとき
それでは、簡単に解説してきます。
ケース1:相続登記のとき
建物や土地が相続財産になっている人も多いはずです。
そのような不動産は、引き継いだ相続人に名義変更(相続登記)しなければいけません。
相続登記では、遺産分割協議書と印鑑証明書が必要になります。

上記の画像は、法務局HPのものです。「印鑑証明書が必要となります。」と書かれていますね。
なので、相続登記をする場合は、法務局へ印鑑証明書を提出することになります。
ケース2:金融機関や証券会社の払戻しのとき
次に、金融機関の預金解約(銀行解約)や証券会社の払戻しの時にも、印鑑証明書の提出が必要です。
以下で、その資料を挙げておきます。


みずほ銀行とSMBC日興証券を例に挙げましたが、私が住んでいる地元の金融機関でも印鑑証明書を提出します。
なので、金融機関や証券会社でも印鑑証明書が必要です。
ケース3:相続税の申告をするとき
最後に、相続税の申告時も印鑑証明書が必要になります。

国税庁のHPで、③で「相続人全員の印鑑証明書」と書かれているのが分かりますね。
ですので、相続税申告でも印鑑証明書が必要になります。
相続人が1人、相続放棄、遺言書・調停調書・審判書がある場合には印鑑証明書は不要
印鑑証明書が必要になる3つのケースが分かったと思います。
逆に印鑑証明書が必要がないケースはあるのか気になると思う人もいるのではないでしょうか。
例外的に印鑑証明書が必要ないことがあります。
例えば、相続登記で遺言書や相続人が1人や調停調書・審判書がある場合は印鑑証明書が不要です。また、家庭裁判所で申請する相続放棄でも印鑑証明書が不要になっています。
このように、例外的に印鑑証明書が不要になるときがあります。
しかし、銀行解約など他の手続きでは遺言書があったとしても、印鑑証明書が必要になりますので注意が必要です。
相続手続きで必要な印鑑証明書について
ここまで、印鑑証明書が必要なケースと必要がないケースが分かったと思います。
次から印鑑証明書の有効期限や必要枚数など印鑑証明について気になるだろう点をご紹介します。
全員の印鑑証明書は必要なのか?
まず初めに印鑑証明書は、相続人全員分が必要になるのか。
相続人1人や遺言書有などの例外を除いて、全員の印鑑証明書が必要になると思っていいでしょう。
前項で挙げた遺産分割協議書を作成する時に実印と印鑑証明書が必要になり、他の手続き(銀行解約や相続登記)で使用することになるからです。
必要な印鑑証明書の枚数は?
2つ目は、印鑑証明書の枚数についてです。
印鑑証明書の枚数は、事案によって取得枚数も変わってきます。
例えば、銀行解約手続きが3件あれば、同時進行もかねて3枚必要になります。
財産が不動産だけなら、印鑑証明書も1枚で問題ありません。
印鑑証明書の有効期限はいつまで?
3つ目は印鑑証明書の有効期限についてです。
相続登記など一部の手続きでは、有効期限がないとも言われています。逆に銀行解約手続きなら6ヶ月以内と決まっていることが多いです。


なので、印鑑証明書の有効期限は各手続によって違いはありますが、3ヶ月以内の物を使うのがベターではないでしょうか。
印鑑証明書は原本還付すれば返してもらえる?
4つ目は、印鑑証明書は、返してもらえるのかについてです。
各手続きで印鑑証明書が必要になることが多くありますので、費用を抑えたいと思いますよね。
印鑑証明書を返却してもらうことを原本還付といいます。なので、手続き先の窓口で原本還付の旨を伝えれば、返してもらうことも可能です。
例えば、相続登記ならば法務局の窓口になります。
ただし、私の経験談ですが銀行解約手続きは、各銀行によって原本還付ができるとことできないとこがあるので注意が必要です。
印鑑登録はすぐにできるが、実印は作成には時間が掛かる
最後は印鑑登録を事前に登録しておくべきかについてです。
相続人の方には、そもそも実印を持っていない人が結構いるのではないでしょうか。
当事務所に相談に来られるお客様でも、実印を持っていない人がいるのが実情です。
印鑑登録は、市役所に実印を持っていき問題がなければすぐに登録ができ印鑑証明書を発行してもらえるので問題ありません。
ただし、実印は注文してからできあがるまでに3~7日ぐらいは掛かってしまうので注意が必要ですね。
相続手続きが、開始されることが分かったら早めに実印だけでも作っておくといいかもしれません。
まとめ
今回は、印鑑証明書について解説しました。
相続手続きでは、印鑑証明書はほぼと言っていいほど必要になる書類です。
ただし、遺言書や調停調書などがある場合、相続登記では必要がない時があります。
相続手続きの種類で印鑑証明書が必要になるのか変わってくると思います。
なので、相続手続きで悩んでいるならば専門家に相談するのもいいではないでしょうか。
今回は、以上です。
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