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相続が発生したら遺産分割が必要になる。遺産分割協議書を徹底解説!

父が亡くなって数年経ち、不動産の名義が故人(父)のままになっている人も多いのではないでしょうか。

当事務所に相談に来られる方でも同じようなケースの人がいます。このようなお客さまの中には、簡単に名義変更ができると思っている人がほとんどです。

しかし、不動産の名義変更は手間と労力が掛かり非常に面倒です。

亡くなった故人の名義を相続人に変更する手続きを相続登記といいます。

その相続登記は、相続手続きの一部です。

相続手続きには、被相続人(故人)の戸籍やら固定資産税評価証明書などたくさんの書類を集める必要があります。

そして、相続人全員で話し合う遺産分割をしなければいけません。

そして、話し合った結果を遺産分割協議書という形で書類に残す必要があります。

相続に必要な書類はこちらの記事を参考してください。

今回は、遺産分割にフォーカスし解説していきます。

遺産分割後、結果を書類に残すのが遺産分割協議書

親父の財産を分けないとだけど・・・次男は、連絡も取れないし最近何やっているか分からないから、ここにいる俺らで決めちゃうおうぜ。

いやいや、その考えダメです。

遺産分割協議は、相続人全員で行わなければいけません。

1人でも相続人が欠けてしまったら、その遺産分割協議は無効になってしまうからです。

相続登記を申請する場所は、法務局になります。

法務局に、被相続人と相続人の繋がりを示す戸籍を提出することになり、必ず相続人の人数を把握されてしまうのです。

ですので、絶対に隠し切れないので必ず相続人全員で遺産分割協議を行いましょう。

遺産分割が決まったら、後々言った言わないなどの問題が起きないように遺産分割協議書として書類で残します。

遺産分割の流れを紹介

いきなり、遺産分割を行いたいと思いますが、ちょっと待ってください。

遺産分割を始める前、確認しておかなければいけないことがあります。

それは、相続人の人数を確定させなければいけません。

先ほども言いましたが、相続人が1人でも欠けてはいけません。

母とおれ長男と次男、妹の4人だし・・・いやいや、そのような推測ではいけません。

もしかしたら、異母兄弟もいるかもしれませんよ。現在の日本は5組中3組の割合で離婚されているご夫婦もいるからです。

ですので、戸籍を確認し相続人の確定しなければいけません。

それでは遺産分割の流れを以下でお伝えします。

  1. 遺言書の有無の確認:遺言書は、遺産分割協議に優先して効力が及ぶため
  2. 相続人の確定:戸籍を取得し、相続人の人数を確定する
  3. 遺産分割:確定した相続人たちで、財産の振り分けを話し合う
  4. 遺産分割協議書を作成:遺産分割した内容を書類に残す

表でも書かれていますが、まず初めに故人の遺言書の存在を確認しましょう。

生前、使っていた棚やタンス、または金庫などありとあらゆる場所を想定し探してください。

遺言書は、故人が残した大切なものです。相続手続きの上でも遺産分割協議に優先して効力が及ぶことになっているのです。

遺産分割後、遺言書が発見されてしまえば、一からスタートになってしまうので注意しましょう。

法定相続人に未成年者がいる場合、特別代理人が必要になる

法定相続人に未成年者がいる場合は、注意しなければいけません。

未成年者は、制限行為能力者となります。

日本の民法上、未成年者は判断能力が未熟とされ重要な法律行為は単独でできないようになっているのです。

ですので、裁判所で選任した特別代理人を通して遺産分割協議に参加します。

特別代理人を通さずに、遺産分割協議を行うと無効になってしまいます。

4つの遺産分割方法を紹介

相続人が確定できましたら、さっそく遺産分割の開始です。

遺産分割は、4つの方法があります。次から1つずつ紹介します。

分割方法その①:現物分割

まずは、現物分割です。

現物分割は、財産をそのまま(現物)相続人へ分割させる方法です。

例えば「長女、きぬ子は、現金500万円を相続する」または「次男きぬ男は、以下○○番地の土地と建物を相続する」

このように、財産に手を加えずそのままの状態で相続人が引き継ぎます。相続人同士の関係が良好な場合、一番簡単な方法なのが現物分割です。

分割方法その②:換価分割

次に、換価分割です。

換価分割は、固定財産を平等に分割できない場合、現金などの流動財産に変えて分割する方法です。

相続人同士が揉めてしまい、法定相続の割合で財産を分けることになった場合、不動産などを分けることが簡単にできないので現金化し平等に分割する。

このように、換価分割は平等に分けられるメリットがある分、財産金額が目減りするデメリットが起こるので、注意が必要です。

分割方法その③:代償分割

3つ目は、代償分割です。

代償分割は、固定財産を多く相続した相続人が、財産の足らない他の相続人に、流動財産として渡す方法です。

例えば、相続人は兄と妹の2人とし、相続財産が1,000万円の価値がある不動産しかなかった場合です。

兄が不動産(1000万円)を相続するになりました。貰えるはずだった妹の法定相続分500万円は貰えなくなってしまい困ってしまいますよね。

ですの、兄は、超過した部分(500万円)を現金で妹に渡す。

事例を見てもらえば分かりますが、超過財産分を現金で渡さなければいけないので資金の問題が起きる可能性があるので注意しなければいけません。

分割方法その④:共有分割

最後は、共有分割です。

共有分割は、不動産など分割しにくい財産を相続人たち(共有持ち分)で相続する方法です。

故人が残した大切な財産だから売却せず残しておきたい、でも財産は平等に分けたい・・・相続人たちで違った意見が出てしまったときに、このような共有分割が取られることが多いでしょう。

ただし、分割後、共有持ち分の不動産を売却したいなどの場合、相続人全員の同意が必要になるなど煩わしい問題も起きるので注意が必要です。

遺産分割で揉める原因の1つ、配偶者が関わると問題が起きる

相続人の配偶者は、原則法定相続人に含まれません。

しかし、その配偶者が遺産分割協議に多大な影響を与える可能性もあるのです。

よくあるケースとして。

遺産分割が決定まじかになって、相続人の嫁が加わり「納得できない」と口をはさみ出した。

遺産分割には法定相続人か特別代理人しか参加できないのですが・・・苦楽を共にしてきた嫁の声をないがしろにすることはできず、配偶者の相続人自身も「財産をもっともらたい」と言い出してしまうこともあるのです。

こうなってしまえば、遺産分割協議はまとまらず相続人同士で揉めてしまうでしょう。

遺産分割協議書は決まった内容を書く

ここから遺産分割協議書について解説します。

やっと、遺産分割も決定し、決まった内容を書類に残す作業です。

とは言っても、遺産分割協議書を作ったことがある人は少ないですよね。正直どう書いていいのか分からないはずです。

遺産分割協議書に決まった書き方はありませんので、Wordなどを使って作成することになります。

内容が複雑でなければ、インターネットを使って無料ダウンロードできるひな形を利用しても問題ないでしょう。

例えば、「長男が不動産を相続する」「次男は、現金500万円を相続する」「○○○○は、相続しないものとする」など

相続人の人数も多くなく、記載する内容も難しいものでなければひな形を使うことをお勧めします。

以下で、ダウンロードできるサイトを紹介しておきます。

遺産分割協議書ダウンロード

遺産分割協議書を作成するに当たり、財産の種類別に作成するべきか悩むかと思いますが、1つの遺産分割協議書にまとめて記載すれば1通で問題ありません。

また、相続財産の中には未登記の建物があることがあります。

例えば、田舎の古い家など

そのような未登記の物件でも、故人の財産に変わりはありませんので遺産分割協議書に載せておくようにしましょう。

署名押印は必ずする。自書と実印ですること

遺産分割協議書の作成で注意する点をお伝えします。

遺産分割協議書は、共同相続人同士の契約書になります。

ですので、共同相続人たちで遺産分割協議書の締結が必要になります。

また、作成後の紛争などを避けるため、署名押印だけは必ず自書と実印でしなければいけません。

後々、財産が発見された時の予防としてある一文を入れておく

遺産分割協議書を締結後、数か月後また数年後かも知れません・・・「隠れた財産」が発見されることがあり得るのです。

当事務所でも、締結後に預金が発見されたケースがありました。

その場合、再度遺産分割協議書を作成しなければいけないのかと思いますよね。

厳密に言ってしまえば、再度遺産分割協議をしなければいけません。

しかし、それでは非常に面倒で手間が掛かってしまいます。

ですので、遺産分割協議書に「ある一文」を記載しておくことで予防ができます。

「本協議書に記載なき遺産及び後日判明した遺産は、相続人○○○○が取得する。」

この一文を記載しておくことで、後日判明した財産について記載されている相続人が相続できることになります。

まとめ

今回は、遺産分割について解説しました。

相続登記がされていなければ、相続手続きになるので遺産分割が必要になります。

※場合によっては、遺産分割協議が必要ないこともあります。例えば、遺言書があるなど

遺産分割を行うためには、戸籍で法定相続人を調べなければいけません。そして、確定ができたら共同相続人たちで4つの分割方法を元に話し合いをします。

遺産分割が決定したら、遺産分割協議書という書類を作成しましょう。

後日の紛争をさけるため、自書と実印で証明押印しなければいけません。

後日判明した財産があった場合を想定し「本協議書に記載なき遺産及び後日判明した遺産は、相続人○○○○が取得する。」の一文を必ず記載しましょう

今回は、これで遺産分割協議については終わりになります。

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