突然ですが、受験生のあなた、こんな悩みをもっていませんか。
行政書士の模試試験を受けて…
- やばい、記述式を解く時間が10分しかなく時間が足らない
- 時間が足らなくなってしまいあせって文章理解ができない
- 解くだけで3時間使ってしまい、見直す時間が足らない
毎回、模試試験でこんな状況になっているのでは。。。
このような受験生は、5肢択一の解き方に問題あります。
今回は、その問題点を洗い出して、解決方法をお伝えしたいと思います。
時間が足らなくなる受験生の3つの問題点とは
行政書士の試験時間は3時間です。毎回、模試など本試験と同じ60問を解くのに、時間が足らなくなる受験生は何かしらの問題があります。
時間が足らなくなる受験生の問題点とは
- 1問目から60問までバカ正直に順番に解いていく
- 問題の種類を選ばない
- 各問題の難易度を把握していない
ほかにも細かい問題はありますが、挙げてみるとこの3つが問題になっていることが多いです。
本試験(模試含)で時間が足らなくなる受験生は、開始の合図と同時に問題を解きはじめる傾向があります。これでは、時間が足らなくなることは目に見えています。
問題には、簡単に解答できるものから、行政書士の知識程度では解けない難易度が高い問題も含まれています。
問題は、下記のような5つのパターンがあり、下に行くに連れ解答するのが難しくなります。
【解答の種類】
組み合わせ問題
▼
穴埋め
▼
誤りの選択肢を選ぶ
▼
正しい選択肢を選ぶ
▼
すべて個数を選ぶ
※下に行くに連れ解答が難しくなります。
時間が足らなくなる受験生は、このように問題の難易度や解答しやすい種類なのかを判断していないことが多いです。
時間が足らなくなる解決方法を紹介
解決方法として、開始の合図がなったら、まずすべての問題にざっと目を通す。
その時に、解答しにくい問題の種類や難しそうな問題(以下難問)にチェックします。と同時に解答しやすい問題や解きやすい問題にもチェックします。
確認し終わったら、難問は飛ばして解きやすい問題を全力で解きまくります。記述から文書理解まですべての問題が解き終わった後難問を解くのが一番効率がいいです。
基本的には、難問は合格に関わらない問題です。要は捨て問ということになります。難問は、じっくり解いてしまうと…足止めになり、時間が掛かってしまうので迷わず飛ばして次に進むべきです。おおいにシカトしてやりましょうね(笑)
しかし、このような難問は、読んでみると比較的簡単なものが多く、時間に余裕をもって解くと解答できることがほとんどです。
どんな問題を飛ばすのか?事例で解説
では、どんな問題を飛ばせばいいのか?分かりやすいように事例を出しながら次の事項で解説していきます。
問題飛ばし1:判例編
平成21年度問6に本試験で出題された問題を使った解答テクニック動画です。憲法の問題なり、判例に関する問題になります。
問題6 次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。この文章の趣旨と適合しない
ものはどれか。
〔憲法23〕条の学問の自由は、学問的研究の自由とその研究結果の発表の自由
とを含むものであって、同条が学問の自由はこれを保障すると規定したのは、一
面において、広くすべての国民に対してそれらの自由を保障するとともに、他面
において、大学が学術の中心として深く真理を探究することを本質とすることに
かんがみて、特に大学におけるそれらの自由を保障することを趣旨としたもので
ある。教育ないし教授の自由は、学問の自由と密接な関係を有するけれども、必
ずしもこれに含まれるものではない。しかし、大学については、憲法の右の趣旨
と、これに沿って学校教育法52条*が「大学は、学術の中心として、広く知識を
授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究」することを目的とするとしている
こととに基づいて、大学において教授その他の研究者がその専門の研究の結果を
教授する自由は、これを保障されると解するのを相当とする。すなわち、教授そ
の他の研究者は、その研究の結果を大学の講義または演習において教授する自由
を保障されるのである。そして、以上の自由は、すべて公共の福祉による制限を
免れるものではないが、大学における自由は、右のような大学の本質に基づいて、
一般の場合よりもある程度で広く認められると解される。
(最大判昭和38年5月22日刑集17巻4号370頁以下)
1 大学における学生の集会は、大学の公認した学内団体であるとか、大学の許
可した学内集会であるとかいうことのみによって、特別な自由と自治を享有す
るものではない。
2 大学の自治は、とくに大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、
大学の自主的判断に基づいて教授その他の研究者が選任される。
3 遺伝子技術や医療技術など最新の科学技術に関わる研究の法的規制は、それ
が大学で行われる研究に関わるものであっても、一定の要件の下で許されうる。
4 学問の自由は、広くすべての国民に対して保障されるものであるため、研究
費の配分に当たって大学の研究者を優遇することは許されない。
5 大学の自治は、その施設と学生の管理についてもある程度で保障され、大学
に自主的な秩序維持の権能が認められている。解答:4
引用元:行政書士試験研究センター
最初に判例を読ませてから解答させる問題ですね。憲法の科目でよく出題されます。文書理解と同じで、解くのに時間が掛かり単純に飛ばして後で解くようにするべきです。
できるだけ時間を掛けず、どんどん他の問題は解いたほうが心にもゆとりができます。なので、時間が掛かる問題と思ったら気にせず飛ばしましょう。そして、最後に時間が余ったら解くにしましょう。
問題飛ばし2:学説編
平成19年度問28に本試験で出題された問題を使った解答テクニック動画です。民法の問題なり、学説に関する問題になります。
問題28 時効制度の存在理由については、次のような考え方の対立がある。
A説 「時効とは、取得時効が成立した場合には無権利者であった者に権利を取
得させ、消滅時効が成立した場合には真の権利者の権利を消滅させる制度
である。」
B説 「時効とは、真に権利を有する者または真に義務を負わない者が、長期間
の経過によってそのことを証明できないことにより不利益を被ることのな
いよう救済するための制度である。」
時効の援用(民法145条)に関する次の説明のうち、最も妥当なものはどれか。
1 時効の援用は、時効の効果が道徳に反する面があるため、それによる利益を
受けるかどうかを当事者の良心にゆだねたものであるとの説明は、A説と矛盾
する。
2 時効の援用は、民事訴訟法上の弁論主義から求められるものであるとの説明
は、B説と矛盾する。
3 時効の援用は、はじめに遡って権利の得喪の効果を生じさせるものであると
の説明は、A説と矛盾する。
4 時効の援用は、権利関係を証明するための法定証拠を提出する行為であると
の説明は、B説と矛盾しない。
5 時効の援用は、法定の停止条件であるとの説明は、A説と矛盾する。解答:4
引用元:行政書士試験研究センター
これは、学説の問題ですね。
法学者のあーだこーだといろいろと説いたのが学説です。法学者は、いろんな思想の持主がいるので考えていることがよく分かりません。
学説を理解しようとすると、それだけで膨大な時間を要します。なので、問題も同じで解くのに時間が掛かる上、正解率も極端に低いです。本試験で学説問題が出題されたら「百害あって一利なし」飛ばして先に進みましょう。
問題飛ばし3:事例編
平成21年度問28に本試験で出題された問題を使った解答テクニック動画です。民法の問題なり、事例に関する問題になります。
問題28 時効に関する次のA~Eの各相談に関して、民法の規定および判例に照らし、
「できます」と回答しうるものの組合せはどれか。
Aの相談:「私は13年前、知人の債務を物上保証するため、私の所有する土地・建物
に抵当権を設定しました。知人のこの債務は弁済期から11年が経過していますが、債
権者は、4年前に知人が債務を承認していることを理由に、時効は完成していないと
主張しています。民法によれば、時効の中断は当事者及びその承継人の間においての
みその効力を有するとありますが、私は時効の完成を主張して抵当権の抹消を請求で
きますか。」
Bの相談:「私は築25年のアパートを賃借して暮らしています。このアパートは賃貸
人の先代が誤って甲氏の所有地を自己所有地と認識して建ててしまったものですが、
これまで特に紛争になることもなく現在に至っています。このたび、甲氏の相続人で
ある乙氏が、一連の事情説明とともにアパートからの立ち退きを求めてきました。私
は賃貸人が敷地の土地を時効取得したと主張して立ち退きを拒否できますか。」
Cの相談:「30年程前に私の祖父が亡くなりました。祖父は唯一の遺産であった自宅
の土地・建物を祖父の知人に遺贈したため、相続人であった私の父は直ちに遺留分を
主張して、当該土地・建物についての共有持分が認められたのですが、その登記をし
ないまま今日に至っています。このたび父が亡くなり、父を単独相続した私が先方に
共有持分についての登記への協力を求めたところ、20年以上経過しているので時効だ
といって応じてもらえません。私は移転登記を求めることはできますか。」
Dの相談:「私は他人にお金を貸し、その担保として債務者の所有する土地・建物に
2番抵当権の設定を受けています。このたび、1番抵当権の被担保債権が消滅時効に
かかったことがわかったのですが、私は、私の貸金債権の弁済期が到来していない現
時点において、この事実を主張して、私の抵当権の順位を繰り上げてもらうことがで
きますか。」
Eの相談:「叔父は7年ほど前に重度の認知症になり後見開始の審判を受けました。
配偶者である叔母が後見人となっていたところ、今年2月10日にこの叔母が急逝し、
同年6月10日に甥の私が後見人に選任されました。就任後調べたところ、叔父が以前
に他人に貸し付けた300万円の債権が10年前の6月1日に弁済期を迎えた後、未回収
のまま放置されていることを知り、あわてて本年6月20日に返済を求めましたが、先
方はすでに時効期間が満了していることを理由に応じてくれません。この債権につい
て返還を求めることができますか。」
1 Aの相談とBの相談
2 Aの相談とCの相談
3 Bの相談とDの相談
4 Cの相談とEの相談
5 Dの相談とEの相談解答:4
引用元:行政書士試験研究センター
この問題は、さっきの判例問題よりも解くのに時間が掛かる上、思考を使った事例問題になります。事例を読みながら図解を書き、なおかつ判例の趣旨に当てはめて正解を導いていかなければなりません。3つのことを同時にやらなければいけない、最悪な問題です。
この問題は民法に多く見られますね。これも、飛ばして最後に余った時間で解くことが無難です。
飛ばした問題は、余った時間で解く
このように、長文問題や学説のような正解率が低い問題が出題されたら飛ばして先に進め、余った時間で解くようにすることです。
案外、余った時間で解いた方が心にもゆとりができるので、広い視野から問題が読め正解率も上がります。
補足【問題飛ばし:個数問題編】
妥当なものをいくつあるか。
ア.○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
イ.△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
ウ.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
エ.●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
オ.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.4つ
5.5つ
このような問題も飛ばしましょう。すべての選択肢が解けないと正解にたどりつけないので、1つでも間違った時点でおしまいです。なので、正解率も極端に悪くなります。
まとめ
3時間の試験で、時間が足らない受験生は問題の解き方に問題があります。その問題点とは。
- 1問目から60問までバカ正直に順番に解いていく
- 問題の種類を選ばない
- 各問題の難易度を把握していない
の3つです。
この問題点を解決するには、ざっと問題を確認し種類と難易度を見極め、難問を飛ばしていくことで解決できます。そして、最後余った時間で難問を解くことで正解率も上がります。
今回、書いたことは、私が実際に合格した年にとった解き方です。効果は保障しますので、ぜひ試してみてください。