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夫婦で書く遺言書!自筆証書遺言の作成方法を徹底解説

現代社会は、以前よりもまして女性が活躍できる社会になっています。それに伴い、子どもがいない夫婦も多くなってきました。

そのような夫婦は、遺言書を作っておこうと考える方も多いようです。

愛する人が亡くなり相続が発生した場合、子がいない夫婦は、兄弟姉妹が相続人となる可能性があり得るので注意がしなければいけません。

当事務所でも、子どもがいないご夫婦から「兄弟姉妹に財産を渡したくないから遺言書を作りたい」との相談があり、遺言書作成に協力したことがあります。

当事務所のケースでは、両家の兄弟姉妹から何度もローンや学費などお金の相談で言い寄られ不安を覚えたのがきっかけでした。

同じようなケースで遺言書を作ろうと考えている人もいるかと思います。

しかし、身近に協力してくれる専門家がいないかもしれませんよね。もしくは作成にお金を掛けたくない人もいるでしょう。

遺言書は、お金を掛けなくても作成可能です。

今回は、お金が掛からない遺言書の作成方法を詳しく解説します。

すべて自書する自筆証書遺言とは

お金が掛からない遺言書は、自身の手で書く自筆証書遺のことです。

内容からすべて自書しなければいけません。

しかし、書くための道具類は身近にある物で済みほとんどお金は掛からないでしょう。

例えば、紙とペンと封筒、印鑑だけで十分です。

紙の種類に決まりはなく、最悪メモ用紙でも構いません。またペンは鉛筆などの消せる物でなければボールペンでも問題ありません。

ですので、いざ作成したいと思ったら、今すぐにでも作成に取り掛かれるのが自筆証書遺のメリットです。

以下で、自筆証書遺のメリットとデメリットを書いた記事を紹介しておきます。

自筆証書遺言の書き方の5つの要件

そんな自筆証書遺言は、要件を満たした書き方をしなければいけません。

要件を満たしていなければ、何の効力もない手紙になってしまうので注意が必要です。

それでは、自筆証書遺言の要件は以下になります。

  1. 全文自筆で書く
  2. 特定できる作成日を確実に書く
  3. 法的効力がある内容を書く
  4. 署名押印は必ずする
  5. 遺言書は、1人で1通

以上の5つが要件です。

作成日は、「吉日」など特定できない書き方はNGです。しっかりと「令和2年10月10日」と特定できるように書きましょう。

また、夫婦で遺言書を作成を考えている場合、1つの遺言書に2人の遺言を盛り込むことは禁止されています。

なので、2人で作成したいと思ったら、各1通ずつ遺言書を作成しなければいけません。

法的効力の内容は無数にある。でも、財産についてが多い

遺言書には、好きな内容を書いても問題ありません。

例えば、「生前、悪いことをたくさんしました。だから、この場を借りて謝罪します・・・」

このような、懺悔(ざんげ)を書いても大丈夫です。

しかし、いざ遺言書の効力が発揮されるのかといいますと、そうではありません。上記な内容はあくまでも、被法的効力の内容になり、ただの手紙を書いているだけです。

遺言書の効力を発揮したければ、法的効力のある内容をしっかりと書かなければ、遺言書としての意味がなくなってしまうでしょう。

以下で遺言書で決められた(法的効力)内容を挙げておきます。

  • 推定相続人の廃除及び廃除の取り消し
  • 相続分の指定
  • 特別受益の持戻しの免除
  • 遺産分割協議の方法の指定
  • 遺産分割の禁止
  • 共同相続人の担保責任の軽減・加重
  • 遺贈の割合の定め
  • 子の認知
  • 未成年後見人・未成年後見監督人の指定
  • 包括・特定遺贈の指定
  • 一般財団法人の設立
  • 信託の設定
  • 遺言執行者の指定及び委託
  • 遺言執行者に関する定め
  • 遺言執行者の報酬に関する定め
  • 祭祀承継者の指定
  • 保険金受取人の指定又は変更

どうでしょうか。たくさんありすぎてよく分からないと思いますよね。

しかし、遺言書に書く内容はほとんど同じ種類の内容になります。

それは自分の財産をどうするかについてです。

当事務所でも、8割以上が財産について相談が多いのが現状です。

ただし、遺言書を作るうえで盛り込んでおいた方がいい内容もあります。

例えば、遺言執行人がそれにあたります。

なぜなら、遺言執行人を指定しておくことで、遺言内容を確実に実行できるようになるからです。

遺言執行人とは、遺言内容を速やかに行う人のことです。

このように、法的効力がある内容を数多くありますが、大半が財産について書くのです。

遺言を書くなら、遺留分に注意

冒頭でもあげましたが、今回は子供がいないご夫婦に向けて書いています。

ご夫婦の場合、同一の内容の遺言書になるので、書き方はそこまで難しくありません。

例えば、「配偶者○○○○へ全ての財産を相続させる」と互いに同じ内容で書いておくだけで、他の相続人(兄弟姉妹)に財産を渡さなくて済むようになります。

ただし、兄弟姉妹以外の相続がいる場合、遺留分に気をつける必要があります。遺留分についてはこちら記事を参考にしてくださいね。

このように夫婦で同じ内容の遺言書を作る場合もありますが、財産を指定して書くこともあるので、一から遺言書の書き方を説明します。

自筆証書遺言を書くために必要な書類一覧

いきなり、頭に浮かんでいる内容を書いてもいいですが、うっかり書き忘れなどのミスを防ぐために、まずは財産の種類を書き出すことと正確な財産を書き写すための必要な書類を把握しましょう。

例えば、遺言書に不動産がある場合、正確な地番などを書き写すことで、後々、読んだ相続人が把握できるので助かります。

正確な地番を書くためは、法務局で取得できる不動産の全部事項証明書(登記簿)が必要になります。

それで、以下でよくある財産の種類と必要な書類を挙げておきます。

  • 不動産の登記簿(全部事項証明書)
  • 預貯金通帳
  • 株などの証券会社との取引資料
  • ゴルフ会員権
  • 生命保険証書
  • 絵画や骨董品など動産の明細書(鑑定書)

絵画や骨董品を持っている人は少ないと思いますが、不動産や預貯金や生命保険はどこの家庭でも持っているものですね。

このように、遺言書を書き始める前に、財産の種類と必要書類を把握し揃えましょう。

自筆証書遺言の必要な道具一覧

つぎに、書くための道具類を紹介します。

  • ペン(消えないもの)
  • 封筒
  • 印鑑(実印が好ましい)

上記の4つを揃えれば遺言書は作ることが可能です。

揃えるのが面倒だと思えば、市販の遺言書セットなどを購入すれば揃っているので非常に便利です。

価格も1,000円程度で購入できいいのではないでしょうか。

自筆証書遺言のひな形

それでは、ここまでで遺言書を書くための準備ができました。

書くためのひな形を以下で挙げておきます。

赤文字で注意する箇所を書いておきましたので参考にしてくださいね。

遺言書の書き方の向きは縦横を気にする必要はありません。ご自身で書きやすい向きで書くのがよろしいでしょう。

また、いきなり書き始めるのではなく、下書きをしてから本書きするのをお勧めします。

なぜなら、誤字脱字などさまざまなミスを回避することができるからです。

どんなに一発書きが得意であっても、途中で間違ってしまったら台無しになり一から作るハメになってしまうので注意が必要です。

書き終わったら再度チェックし間違いなければ、封筒に入れて目地に×印で閉じれば、完成です。

自筆証書遺言を作成するときの5つの注意点

自筆証書遺言を作るにあたっての5つの注意点をご紹介します。

注意点1:加除訂正するなら再度書き直す

遺言書を書いたことがある人はそう多くないでしょう。また、現代社会では、パソコンなどの機械が発達したことで、字を書くのが少なくなっていますよね。

そのような状態で、遺言書の全文(500文字以上)を正確に書くのは一苦労です。

そうなると誤字脱字などの書きミスが起こりえるかもしれません。ミスした場合、できれば修正し書き進めたいと思うはずです。

しかし、ミスの修正は極力しないことをお勧めします。

ミスの修正には決まった修正方法があるので、間違ってしまうと遺言書が無効になる恐れがあるからです。

ですので、修正がある場合、再度書き直すようにしましょう。

注意点2:あいまいな表現はNG!内容は明確にするべき

次に書く内容はあいまいな表現をしないことです。

そのような表現をすることで、遺言書を見た相続人たちで揉める原因になる可能性があるからです。

例えば、「私の不動産は、子どもに継いでもらい・・・」このような、内容でも効力は発揮されますが、不動産が複数あった場合、また子どもが複数人いたら場合はどうでしょう。

だれがどの不動産を継ぐのかも分からず、互いの意見がぶつかりケンカになってしまうかも知れませんね。

このようなことが起きないように、遺言書に記載する内容は明確にするべきです。

注意点3:相続開始までに財産を処分しても問題ない

3つ目は、遺言書を作ったら、財産が使えなくなると心配する遺言者もいます。

その心配は取り越し苦労ですので安心してください。

なぜなら、遺言書の効力が発揮されるのは遺言者の死後だからです。

遺言書作成時に、500万円を遺贈をする内容を書いたとしても、効力が発揮される時に500万円が無くなっていれば、その部分の内容だけ撤回(取り消し)になり効力が発揮されなくなるだけです。

ですので、遺言書が作成したからといって、その後、財産を自由に処分しても問題ありません。

注意点4:家庭裁判所の検認が必要になる

4つ目は、自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認が必要になることです。

遺言者が死後、遺言書を発見した相続人は、遺言書の中身を勝手に開封して内容を読んではいけないのです。

家庭裁判所で行う検認をえて、裁判所が遺言書の有無を確認し相続人たちの前で開封するからです。

その検認が終わってから、遺言書の内容に沿って実行されます。

ですので、検認が完了するまで1か月程度の時間を要し、遺言書の内容が完了するまでさらに1~2か月程度掛かり多くの時間が掛かってしまいます。

注意点5:兄弟姉妹以外の相続人がいる場合、遺留分に注意

最後は、遺留分に注意しなければいけません。

遺留分は、相続人が相続財産を得る絶対的取り分です。遺言書で「すべての財産を相続人ではない他人に遺贈する」内容を書いたとしても、遺留分だけは返還しなければいけません。

ですので、相続人に遺留分がある場合、十分に注意しながら遺言書を作らなければいけません。

証明力が弱いと思ったら、公正証書遺言もすることも検討する

自筆証書遺言の作成の解説は以上です。

どうでしょうか。ご自身で遺言書を書けそうでしょうか。

子どもがいないご夫婦で、互いに相続財産を与える内容ならばそう難しいことではありませんよね。

例えば、「配偶者○○○○へ全ての財産を相続させる」「遺言執行人は、配偶者○○○○にする」

最低でもこの2種類の文章だけを入れておき、自筆証書遺言の要件を満たした遺言書にすれば効力が発揮されます。

しかし、兄弟姉妹がご夫婦の財産を狙っているならば、自筆証書遺言は避けるべきです。

自筆証書遺言の証明力が弱く、納得いかない相続人が自筆鑑定などを求め遺言書の存在を否定してくる可能性だってあります。

安心するために作った遺言書なのに、余計に心身ともに疲れてしまうでしょう。

なので、そのような問題がおきそうならば、自筆証書遺言ではなく証明力が強い公正証書遺言にするのも1つです。

どうしても、どちらにするか判断できないときは、一度専門家に相談してみてもいいでしょう。

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